高齢者の新しい「自立型住まい」。
建築家設計 × 見守りサービスで
「安心と自由」を両立

高齢者見守り
2025/07/11
文:藤掛千絵

見守りサービス「ひとり暮らし安心プラス」が、建築家の設計する住まいと組み合わさり、新たな暮らしの提案が生まれました。

今回タッグを組んだのは、建築家の岡村泰之さん設計の新築シェアハウス。
開放感と可変性のある空間は、住む人それぞれの生活リズムや過ごし方に応え、年齢を問わず“自分らしい暮らし”を実現できる設計です。

そこに「ひとり暮らし安心プラス」が持つ見守り支援が加わることで、“一人で暮らしたい。でも不安もある”という声に、現実的な安心感を添えることができました。
自由と安心を両立する、新しい「自立型住まい」の誕生です。

高齢化と単身化が進む中で求められる“新しい暮らし方”

通りの静けさと調和するモダンなこの建物は、建築家・岡村泰之さんの設計によるシェアハウス「フキネコテラス」です。2025年4月に完成しました。

高齢化と単身世帯の増加が進むいま、「ひとりで暮らす」ことに漠然とした不安を抱える方が増えています。
一方で、施設型住宅のような管理的・制限的な住まいではなく、「もっと自由に、自分らしく暮らしたい」という声も根強く存在します。

フキネコテラスは、そんな声に静かに応える、あたらしい“共住”のかたち。
「ひとり」でも「ひとりきり」にならない、そんな暮らしを支える住まいです。

従来のシェアハウスとの違い

フキネコテラスの個室は、天井と壁は漆喰仕上げ、足元には時を経るほどに味わいを増す無垢フローリングです。収納もたっぷり備えて、化学物質過敏症の方にも配慮された、優しく、そして暖かみのある空間です。

そして自由な暮らしを静かに支えるのが、「ひとり暮らし安心プラス」の見守りサービス。携帯電話・スマートフォンひとつで完結する安否確認。認知機能の変化を見逃さず、万が一の時のために死後事務もセットに。設備や制度を押しつけるのではなく、寄り添うように配置しています。

自由と安心。
時に相反するふたつの価値を、ここではどちらも手放さずにいられます。
フキネコテラスは、「ひとり」の時間を慈しみながら「ともに暮らす」豊かさも感じられるシェアハウスです。

自由に自分らしく暮らしたい、すべての単身者の方へ

この住まいは、高齢者だけのものではありません。
「自由に、自分らしく暮らしたい」。そう願うすべての単身者に、ひらかれた住まいです。
リモートワーカーとして都市の近くで静かに働きたい人。
子育てを終えた後の新しい時間を始めたいミドル世代。
自分のペースで暮らしたいセミリタイア層。
年齢も職業も関係なく「今の自分にちょうどいい暮らし」を求める人にこそ届いてほしい住まいです。

「ちょっと特別な日常」を育むしかけたち

フキネコテラスの共用スペースには、「ちょっと特別な日常」を育むしかけたちが散りばめられています。
室内には広々としたダイニングキッチンと、ホーローのゆったりとした湯船を備える浴室。
外に目を向ければ、エントランスの先には緑豊かな中庭が広がり、二階のルーフバルコニーは開放的で自由に使えます。

ここでは「今日はどこで過ごそうか」と、自分自身に問いかけながら暮らすことができます。

シェアハウスに併設された「みんなの居場所」

住居棟の隣には、NPO法人の主催するカフェがあります。
化学肥料を使わない完熟豆を使った「森のコーヒー」や日替わりのランチメニュー、クッキーや焼き菓子のテイクアウトも。
気軽な会話から生まれるつながりが、毎日を少しずつあたたかく変えていきます。

藤掛千絵