家主さん必見!高齢・単身入居者の受入れは怖くない!①

事故物件問題
2023/12/11
文:藤掛千絵

アパート経営をされている大家さんにとって、昨今の空室は深刻な問題です。
特に築年数が古い物件、いわゆる「築古」だと、ようやく入居者希望者が来ても高齢者だったということが少なくありません。
高齢の入居希望者に対して様々なリスクを考え断ってしまう大家さんや、元々の居住者が高齢化し、そろそろ孤独死や認知症の心配が出てきた、そんな悩みを抱えている大家さんも多いのではないでしょうか。

高齢の入居者を迎え入れても、部屋で孤独死されたら修繕費用が大変!
相続人が見つからず、賃貸借契約が解除できずに部屋が氷漬けに!
高齢入居者の受入れには、様々な不安がつきまといます。
今回はそんな家主さんの不安を解消する、とっておき方法をご紹介していきます。
実は高齢入居者の受入れは、怖いことでも何でもないのです。

前半は、いま日本で問題になっている高齢者の住宅難民問題について解説します。






【高齢者の住宅難民化】

65歳以上の高齢者が賃貸住宅を探した時、年齢を理由に入居を断られたという方が4人に1人もいることをご存知ですか?
収入や貯金があっても「単身の高齢者」という理由だけで入居を断られてしまうからです。
この問題は、令和五年の夏から行われていた国交省・厚生省・法務省の3省合同の【住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会】でも課題に挙げられました。

大家さんが高齢入居者を敬遠する理由の第一位は「孤独死」の問題です。居室内で孤独死が起こることで大家さんには主に下記のようなリスクが生じます。

1:物件棄損リスク…特殊清掃やリフォームが必要になるリスク
2:残置物リスク…残された家財や賃貸借契約の解除に関するリスク
3:風評被害リスク…事故物件サイトに情報が掲載され、次の借り手が見つからなくなるリスク

大家さんの中には既にこれらのリスクを経験し、苦労された方もいらっしゃるでしょう。
リスクを負うよりも空室である方がマシ!そう考える気持ちも痛いほどに分かります。
しかし、こういった現状を受けて、大家さんの味方になるサービスや条例が生まれています。

次回は具体的なサービスと、現行の条例を解説します。

藤掛千絵