ここまで進化した! 高齢者とテクノロジーの関わり①
【高齢者とIoT:賃貸住居問題の解決策】
近頃インターネットで「IoT」や「ICT」という言葉を目にしませんか?
「IoT」とはインターネットオブシングス、つまりモノのインターネットを指し、テレビやエアコン、冷蔵庫など身近な「モノ」とインターネットを結ぶ技術です。「ICT」はインフォメーション&コミュニケーションテクノロジー、つまり情報通信技術で、人と人を繋ぐことを目的とした技術です。
パソコンやサーバーなど「コンピューター」を介してインターネットに接続していたものが、身の回りのモノから簡単に接続できるようになり、Web会議システムやオンライン教育など遠方からも気軽に参加できるようになったのは、IT技術の賜物ですね。
さて、昨今話題の「Dx推進」にも欠かせないと言われるIoT、そしてICTですが、実は高齢者向けのサービスにも数多く活用されています。またIoTやICTを使い、単身高齢者の賃貸住宅問題を解決しようという取組も出てきましたので、ご紹介していきます。
介護の現場で使われているIoT技術
IoTの特徴の一つに、モノの動き・位置を検知する機能があります。これが「人感センサー」として、見守り等に多く活用されています。
例えば、スマートウォッチで心拍数を測ったり、睡眠の質やストレスレベルを記録したり、ご自身で健康管理をされている方がいらっしゃると思いますが、同様のセンサーを介護施設で使用することで、入居する高齢者の健康管理を容易に行えるようになりました。
ベッドのマット下にある「接触型」のセンサーは、心拍数の変化を敏感に察知し、異常があればアラートで知らせてくれます。臭いを感知するセンサーもあり、おむつ交換のタイミングが通知されたり、排泄のタイミングが予測できるため、入居者の排泄を介助したり、おむつが汚れるストレス軽減にもなります。
また、紙に残していた入居者の情報が、ICTの活用でタブレットなどの端末で管理をするシステムの導入で、スタッフ同士の情報共有がよりスムーズになりました。IoTの人感センサーを通じて計測された正確なデータが記録されるため、人為的なミス防止にも繋がり、スタッフの負担軽減にもつながっています。
他にも、こんな使われ方も……
本体に人工知能を搭載したコミュニケーションロボットも、IoTの一種です。
介護や医療の現場向けに作られたコミュニケーションロボットは、相手の顔を認識し、記憶し、学習して会話を行います。中には動物の形をしているので撫でるとペットのような愛らしい反応をして、相手の心を癒すロボットも。
高齢者向けというわけではありませんが、ロボットの持ち主同士で交流できるコミュニティや、オンラインでもオフラインでも楽しめるイベントが用意されていることもあり、ロボットと人間との間のコミュニケーションだけではなく、共通の話題を持つ誰かと楽しむことも出来ます。孤独や不安感を癒したり、孤立防止にも役立つ、まさにICTとIoTの技術が相乗効果をもたらしている例ですね。
国交省も高齢者の入居促進を目指し、IoT技術を活用した賃貸住居問題の解決策を推進しています。これにより、高齢者が安心して住める環境が整い、賃貸市場の活性化にも繋がることが期待されています。
■参考資料「aiboファンミーティング Vol.17」
https://info.aibo.sony.jp/info/2024/01/aibofanmeeting-17.html