孤独死は怖くない?事故物件と高齢者の住まいに関する国交省の指針①
「事故物件」という言葉を聞いて、どのようなイメージを思い浮かべますか?
事件や事故で亡くなった人の怨念が残るお化け物件?それとも怪談話のようなオカルトエンターテインメントでしょうか?事故物件をテーマにしたフィクションは多く存在し、現実の事故物件情報を掲載する有名なサイトもあります。
現実の「事故物件化」は大家さんにとって避けたい結末の一つです。しかし、高齢者の孤独死=即、事故物件というネガティブなイメージにとらわれ、高齢入居者の受け入れを敬遠していませんか?
実は、事故物件としての告知義務が発生するには「一定の条件」があることをご存知でしょうか?その条件に当てはまらなければ、賃貸物件で誰かが亡くなっても事故物件にはなりません。
今回は、事故物件の定義について正しく理解できるようにまとめます。
最近よく聞く「心理的瑕疵物件」とは?
住む上で物理的な問題はないが、過去に凄惨な事件や自殺があった物件を、不動産業界では「心理的瑕疵物件」と呼びます。「瑕疵」とはキズ、欠点、欠陥を意味し、「心理的に欠点、欠陥がある物件」という意味です。
事故物件という言葉が使われ始めたのは約30年前、平成の初め頃です。バブルで高騰した物件価格が、何らかの事故やトラブルで資産価値が極端に下がった時に「事故物件」と呼ぶ風潮が生まれました。「心理的瑕疵」を知らなくても「事故物件」という言葉は知っている方が多いでしょう。
国交省が発表したガイドライン
2020年、国土交通省は「不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会」を開きました。それまで事故物件、すなわち「心理的瑕疵物件」の明確な判断基準がなく、個人によって認識にバラつきがありました。中には、物件内で誰かが亡くなった=事故物件という極端な認識もありました。
これでは、不動産取引上の適切な告知・取扱いが難しくなります。特に問題だったのは、事故物件と騒がれることを恐れた家主が、入居者の孤独死に強い不安を抱き、高齢者の入居を敬遠することでした。
このままでは住宅市場の活性化を阻むため、国交省は「心理的瑕疵」の適切な告知・取扱いについて検討し、「ガイドライン」を策定しました。