高齢者の就業率が急増中!働くシニアを支えるサービスとは?

高齢者見守り
2024/10/24
文:藤掛千絵

日本では高齢化が進行し、65歳以上の人口が増加しています。
このような背景の中で、高齢者の就業率も年々上昇し、今では労働人口のうち70歳以上の537万人、全体の13.4%になります。
高齢者が働く理由はさまざまですが、今回は、高齢者が働くメリット、企業や自治体の取り組みについてまとめてみました。

高齢者が働くことのメリット

高齢者が働くことには多くのメリットがありますが、特に大きい点を3つ挙げていきます。

①まず健康面での利点が挙げられます。働くことで身体的な活動が増え、運動不足を解消することができるからです。また、仕事を通じて新しいことに挑戦することで、精神的な健康も向上します。特に、定期的な仕事を持つことで生活にリズムが生まれ、認知症の予防にもつながると言われています。

②次に、社会的なつながりの維持も重要なメリットです。仕事を通じて他人と交流する機会が増え、孤立感を軽減することができます。
特に、退職後に社会との接点が減ることを懸念する高齢者にとって、働くことはコミュニティへの参加を続ける手段となります。これにより社会的な孤立を防ぎ、充実した生活を送ることができるでしょう。

③最後に、経済的な安定も大きなメリットです。働くことで収入が増え、年金だけでは賄いきれない生活費を補うことができます。これにより、生活の質が向上し、経済的な不安を軽減することができます。特に、趣味や旅行など、余暇を楽しむための資金を得ることができるため、より豊かな生活を送ることができます。

関連Webサイト:令和6年版高齢社会白書より
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/zenbun/pdf/1s2s_01.pdf

行政や企業の取り組み

高齢者の就業を支援するために、行政や企業もさまざまな取り組みを行っています。
まず、高齢者雇用促進のための政策が挙げられます。

特に活気づいてきたのは「高齢者雇用安定法」の一部が改正された平成25年からでしょう。急激な高齢化の進行に対応するために定年年齢を引き上げるなど、改正により対策を行ってきました。

最近では令和6年9月13日に閣議決定した高齢社会対策大綱により「生涯を通じて活躍できる環境の整備」の中に、雇用の質の向上のための環境整備や、スキルアップ・リスキリング、多様な就業等の機会の提供や、高齢社会に対する他の世代の理解を促進させるための環境整備も行っていく方針が示されました。

→関連サイト:高齢社会対策大綱
https://www8.cao.go.jp/kourei/measure/taikou/pdf/p_gaiyou_r06.pdf

また、高齢者の就業に率先して取り組んだり、定年をなくしたりと対策する企業は助成金も利用できます。

関連サイト:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139692.html

地域コミュニティの支援も重要な要素です。自治体は地域の高齢者が働きやすい環境を整えるために、地域の企業と連携して就業支援プログラムを実施しています。例えば、地域の商店街や農業団体と協力して、高齢者が地域の特産品を販売する機会を提供するなど、地域密着型の取り組みが行われています。

関連サイト:東京都はたらくネット
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/senior/index.html

働く高齢者を支えるサービス

高齢者が安心して働き続けるためには、さまざまなサービスや仕組みが必要になってきます。特に重要なのは、健康管理サービスです。定期的な健康チェックや、職場での健康相談を提供することで、高齢者が健康を維持しながら働くことができます。
一般的な福利厚生サービス以外に、産業医によるメンタルヘルスのケアを実施している企業も多くあります。

次に、職業訓練とスキルアップ支援が挙げられます。高齢者が新しい技術や知識を習得するための研修プログラムや、再就職支援サービスが必要になります。特に、デジタルスキルの向上は現代の職場で重要な要素となっており、高齢者が最新の技術に対応できるようサポートすることが求められます。
また高齢者の就業を率先して行っている企業では、若い世代とシニア世代の社員をペアにすることで、お互いの足りない部分をカバーし合い、技術の継承を図る、というケースも多くあります。

さらに柔軟な勤務形態の導入も重要です。高齢者が無理なく働けるよう、パートタイムやフレックスタイム、リモートワークなどの柔軟な勤務形態を提供する企業が増えています。週5日だった就業日を週3日に調整する等、自分のペースで働くことができるような仕組みを作る企業もあります。

関連サイト:高齢者活躍企業事例サイト
https://www.elder.jeed.go.jp/

まとめと今後の展望

高齢者の就業率が増加する中で、彼らを支えるためのサービスや仕組みはますます重要になっています。これまでに紹介した健康管理サービス、職業訓練とスキルアップ支援、柔軟な勤務形態の導入、企業や自治体の取り組みなどは、高齢者が安心して働き続けるための基盤となります。

今後の展望としては、さらに多様な働き方が求められるでしょう。テクノロジーの進化により、リモートワークやオンライン研修が普及し、高齢者が自宅からでも働ける環境が整いつつあります。また、AIやロボット技術の導入により、高齢者が負担なく働ける職場環境が実現する可能性もあります。

持続可能な社会を実現するためには、高齢者の経験や知識を活かすことが不可欠です。
若い世代と高齢者が協力し合い、互いに学び合うことで、より豊かな社会を築くことができるでしょう。読者の皆さんも、身近な高齢者が働くことを支援し、共に成長する社会を目指していきましょう!

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藤掛千絵