高齢者の幸福度を維持しながら賃貸住宅の空室率を下げる方法

孤独死問題
2024/12/19
文:藤掛千絵

近年、高齢者の幸福度を維持することが社会全体の幸福度向上に重要であるとされています。高齢者の幸福度は「社会的つながり」や「健康状態」、「経済的安定」など多くの要因に影響されますが、特に「孤独感の軽減」が幸福度の向上に大きく寄与しています。

一方で、賃貸住居の空室率が高まる中、高齢者向けの住居提供が注目されています。高齢者が安心して暮らせる住環境を整えることは、彼らの幸福度を維持するだけでなく、賃貸住居の空室率を下げる効果も期待できます。

今回は、高齢者の幸福度を維持するために必要な要素と、高齢者向け住居提供によって賃貸住宅の需要を高め、空室率を低下させるアイデアをご紹介します。

高齢者の幸福度を維持する方法

高齢者の幸福度を維持するためには、以下の要素が重要です。

1. 社会的つながりの強化:高齢者が孤立しないよう、地域コミュニティや趣味のサークルなど、社会的なつながりを持つ機会を提供することが重要です。例えば地域のイベントやボランティア活動に参加することで、他者との交流が増え、孤独感が軽減されます。

2. 健康状態の維持:定期的な健康チェックや運動プログラムの提供が、高齢者の健康状態を維持するために有効です。

3. 経済的安定の確保:年金や生活保護など経済的支援を受けることで、高齢者の経済的安定が図られます。またシニア向けの就労支援プログラムも、経済的な不安を軽減する手段となります。

この3つの要素の中で特に「社会的つながりの強化」は、賃貸住宅の空室率を下げることと上手く組合せが出来そうです。

高齢者に需要のある住宅の特徴

次に、高齢者に需要のある住宅の特徴についてご紹介します。
主に以下の要素があります。

1. バリアフリー設計や断熱改修
段差のないフロアや広い廊下、手すりの設置など、バリアフリー設計が施された住宅は、高齢者にとって住みやすい環境です。また断熱改修を行うことで野外と室内の寒暖差が小さくなり、熱中症やヒートショックなどのリスク低下に繋がります。

2. 安全性の確保
緊急時に迅速に対応できるような防犯設備が整っていると安心です。また住人同士が顔を合わせる機会を増やす等、定期的な交流イベントを開催することでコミュニティが作られ、見守り活動にも繋がります。

3. 入居者へのサポート:
例えば東京都のある賃貸物件では、オーナーが地元の買い物代行サービスと提携し、入居者に特別割引を提供しています。この取り組みにより高齢者や忙しい入居者が便利に買い物を済ませることができ、満足度が向上しています。

<参考事例>
大東建託、買い物代行サービスを都内一部エリアで実証実験
https://news.ielove.co.jp/17590/

高齢の入居者にとって魅力的な賃貸物件にすることで、需要が高まり空室率を下げることが出来ます。

高齢者向け住宅の需要は今後も増加が見込まれています。
特に、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や高齢者向けシェアハウスのような新しい住まいの形態が注目されており、これらの住宅は高齢者が自立した生活を送りながら、必要なサポートを受けられる点で非常に魅力的です。

また、国や自治体による補助金や助成金の活用により、高齢者向け住宅の供給が促進されることが期待されます。これにより、高齢者が安心して暮らせる住環境が整備され、賃貸住宅の空室率の低下にも寄与するでしょう。

高齢者向け住宅に利用できる補助金や助成金

賃貸物件の改修工事に使用できるその他の助成金や補助金には以下のようなものがあります。
1.長期優良住宅化リフォーム推進事業
既存住宅の長寿命化や省エネ化を目的としたリフォームに対する支援です。賃貸物件も対象となり、性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対して補助金が支給されます

2.住宅省エネ2024キャンペーン
省エネリフォームに対する支援で、断熱改修や高効率給湯器の導入などが対象です。賃貸物件のオーナーも利用可能で、工事内容に応じて補助金が支給されます。

3.住宅セーフティネット制度
高齢者や障害者、子育て世帯など住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅の改修に対する補助金です。バリアフリー化や耐震改修、省エネ改修などが対象となります。

具体例と成功事例

具体的な成功事例として、東京都の「シニア向け賃貸住宅プロジェクト」が挙げられます。このプロジェクトでは、バリアフリー設計や緊急通報システムを備えた賃貸住宅を提供し、高齢者の安心・安全な暮らしを実現しています。また、地域コミュニティとの連携を強化し、社会的つながりを促進する取り組みも行われています。

さらに、福岡市では「高齢者向けシェアハウス」が注目されています。このシェアハウスでは、複数の高齢者が共同で生活することで、孤独感の軽減や生活費の削減を実現しています。共用スペースでの交流や共同イベントの開催により、住民同士の絆が深まり、幸福度の向上が図られています。

【まとめ】
高齢者の幸福度を維持しながら賃貸住宅の空室率を下げるためには、社会的つながりの強化、健康状態の維持、経済的安定の確保が重要です。また、高齢者に需要のある住宅の特徴を理解し、適切な補助金や助成金を活用することで、高齢者が安心して暮らせる住環境を提供することができます。これにより、高齢者の幸福度を向上させるとともに、賃貸住宅の空室率を効果的に低下させることが期待されます。

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藤掛千絵