高齢者サポート事業の現状と課題
単身高齢者が増えている昨今、「身元保証」や「死後事務」などの高齢者サポートサービスが急増しています。2024年に発表された「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」の策定は、詐欺やトラブルから高齢者を守るための重要な一歩となりました。
ガイドラインの主旨は、業者が提供するサービスの透明性と信頼性を確保し、高齢者が安心して利用できる環境を整えることにあります。具体的には、サービス内容の明確化、料金体系の透明化、契約時の説明義務の強化などです。
しかし、ガイドラインの発表から半年が経過した今も、高齢者を取り巻くサポート事業には暗雲が立ち込めています。
参考:
https://news.nifty.com/article/item/neta/12268-3761338/
今回は消費者センターへ寄せられた実際の相談を振り返りながら、改めて注意すべき点を挙げていきます。
身元保証に関するトラブル
単身高齢者を対象とした「身元保証」は、入院や手術の同意が必要な時に大変役に立つサービスです。サービスを扱う事業者は増加していますが、消費者センターへの相談件数も増えています。
トラブル例1:高額な契約費用を請求された
高齢者が入院する際に身元保証サービスを利用したところ、契約費用が非常に高額でした。
追加費用も発生したため、請求された高齢者は支払いが困難になったといいます。
※消費者センターは契約内容を確認し、事業者との交渉をサポート。結果として、高齢者に一部の費用が返金されました。
トラブル例2:サービス内容が不明確だった
身元保証サービスを契約したものの、具体的なサービス内容が不明確なままで、期待していたサービスが提供されませんでした。
※消費者センターは契約書の内容を精査し、事業者に対してサービス内容の明確化を求めました。事業者はサービス内容を再確認し、利用者に説明を行いました。
死後事務に関するトラブル
契約した高齢者の死後をサポートしてくれる「死後事務」。賃貸借契約の解除や、部屋に残された遺品整理、更には葬儀や納骨まで対応するサービスもあります。
・葬儀や埋葬に関するトラブル
死後事務委任契約を結んだが、葬儀や埋葬の手続きが適切に行われませんでした。困惑した遺族は消費者センターに相談をしました。
※消費者センターは契約内容を確認し、事業者に対して適切な手続きを求めました。事業者は手続きを見直し、遺族に対して謝罪と補償を行いました。
・遺品整理や住居の明け渡し
死後事務委任契約を結んだが、遺品整理や住居の明け渡しが適切に行われませんでした。
※消費者センターは、事業者に対して遺品整理や住居の明け渡しの手続きを迅速に行うよう指導。事業者は対応を改善し、遺族に対して適切なサポートを提供しました。
消費者センターでは、これらのトラブルに対する相談を受け付けており、適切なアドバイスや支援を提供しています。
ただし、依頼をした高齢者自身が亡くなり、身寄りが居ないとなると、生前に契約したサービスが行われているのか、確認のしようがありません。中には、利用者が亡くなった後に、財産を不正に取得する業者のケースも報告されています。
ガイドラインの効力
「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」とは、事業者に適正な運営を促すものであり、法的拘束力はありません。実際の運用や監視体制が不十分であるために、上記のような詐欺行為と言われるものを防ぐことが出来ないのです。今後はガイドラインの内容をさらに強化して、実効性のある監視体制を構築することが急務と言えるでしょう。
高齢者だけではなく、物件オーナーも気を付けよう
空室対策から「居住サポート住宅」への登録を考えられている物件オーナーもいらっしゃると思います。居住サポート住宅に登録するには、耐震性や住戸の床面積、家賃の均衡性などの基準を満たし、バリアフリー設計の導入も必須です。改修のために業者に依頼する際は、下記の注意が必要です。
・信頼できる業者と契約する
業者の評判や実績を確認し、信頼できる業者と契約することが重要です。
・契約内容をよく確認する
契約書をよく読み、サービス内容や料金体系を理解した上で契約することが必要です。
・第三者の立ち会いを求める
契約時には、家族や信頼できる第三者の立ち会いを求めると安心です。
セーフティネットや居住サポート住宅への登録の際は、必ず公式からの情報を確認することが大切です。
【まとめ】
高齢者の不安な気持ちにつけ込む「身元保証詐欺」や「死後事務詐欺」は本当に許せないことです。高齢者が搾取されない世の中を目指すために適切な法整備が進むことを大いに期待していますが、私たち自身もサービスに関する知識を備え、適切に利用できるよう心掛けることが重要です。
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