孤独死 ― 他人事ではない問題
「孤独死」という言葉は、もはや珍しいものではなくなりました。テレビやニュースで頻繁に取り上げられ、私たちの身近に潜んでいる現実が改めて浮き彫りになっています。
しかし、現役世代(65歳以下)の多くにとって、孤独死は高齢者だけの問題であり、依然として「他人事」に感じられているのが現実ではないでしょうか。
実は、孤独死の問題は現役世代にもじわじわと広がっており、その深刻さは予想以上に進行しています。今回は最新の「第9回孤独死現状レポート」を基に、現役世代の孤独死についての現状と考察を行います。
孤独死の年齢割合について
まずは孤独死における年齢層の割合を見てみましょう。孤独死の約半数が高齢者(65歳以上)によるものですが、その残り半数は実は65歳以下の現役世代です。特に驚くべきは「現役世代が孤独死を迎える年齢層」にあります。現在、孤独死の平均年齢は男性63.0歳、女性61.8歳となっており、これは決して「高齢者」の範疇には収まりません。
たとえば、平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳であり、定年退職が65歳に引き上げられたことを考えると、孤独死を迎える年齢層がいかに若年層であるかがわかります。
つまり、65歳を迎える前に孤独死を迎える現役世代がいるという現実が浮き彫りになっています。
次に、孤独死の原因ですが、最も多いのは「病死」で、全体の62%を占めています。これは高齢者に多い持病が影響していることが大きいと考えられます。
一方、特筆すべきは「自殺」が9.2%を占める点です。特に若年層や中年層においては自殺のリスクが高く、孤独感や社会的孤立がその要因となっているようです。特に都市部では、仕事の忙しさや家族との関係の希薄さが影響し、一人暮らしの人々の間で孤独感が深まることが多いです。また、一人暮らしをする若年層の女性は、孤独感が増す中で自殺に至るケースが多いという実態も見逃せません。
孤独死の発見までにかかる日数も深刻な問題です。第9回孤独死現状レポートによると、発見までにかかる平均日数は全体で18日です。ただし「3日以内に発見」のデータに着目すると、女性の方がより早期に発見される場合が多くなります。
発見者の割合は、管理会社やオーナー、福祉関係者など「職業上の関係者」が48.1%と約半数を占めています。親族・友人などの近親者が発見する割合は36.1%程度です。前回の孤独死現状レポートと比較すると、「職業上の関係者」が発見するケースが増えていることがわかり、ここにも「孤立感」が以前より強まっているという懸念が浮き彫りになります。
現役世代の孤独死
上記のデータから、孤独死は高齢者だけの問題ではないことが明らかになりました。SNSでのつながりが増えている一方、実際に対面で人と会い、心のつながりを感じる機会が減少していることが、若年層の孤独死リスクを高める要因の一つとなっています。
2021年に行われた調査でも、20代から40代の孤独感を抱える割合が高いことが確認されています。このような状況は、物理的な孤立だけでなく、心の孤立にもつながり、最終的には精神的な健康問題を引き起こす原因にもなりかねません。
孤独死の共通点 ― 高齢者と現役世代の共通要因
孤独死の背景には、高齢者も現役世代も共通する要素が存在します。最も大きな要因は「社会的孤立」です。高齢者が友人や家族とのつながりを失い、孤立することが孤独死の原因となるのと同じように、現役世代も仕事に追われ、地域とのつながりが薄れることで孤立が進んでしまう可能性があります。
また、経済的な不安定さも共通の要因です。高齢者が年金に頼る生活を強いられる中、現役世代も長時間働いても安定した収入を得ることが難しく、家計が困窮している人が増えています。これが精神的な負担となり、孤独感や精神的な問題に繋がっていくことも考えられます。
これからの時代、孤独死を防ぐために
孤独死を防ぐためには、まず社会全体で孤立を減らすための仕組み作りが必要です。
地域コミュニティの活性化や、気軽に相談できる場所の提供、定期的に連絡を取り合うことは勿論ですが、手軽に入れる「見守りサービス」を活用することでも、具体的な対策になります。
また「見守りサービス」と併せて「終活」や「死後事務」サービスに加入したり、死後事務サービスの詳細を知ることでも、孤立への漠然とした不安感は軽減されます。知識を得て、「孤独死のリスクを軽減すること」を前向きに考えていきましょう。
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