見守りサービス導入率はわずか1割未満……不動産管理会社が今考えるべきリスク対策

高齢者見守り
2025/10/14
文:藤掛千絵

不動産管理業者を対象に実施した最新の調査によると、高齢者向け見守りサービスの導入率は、全物件で導入済が4.0%、一部導入を含めても1割未満にとどまっています。
さらに、「サービスを知らない」と回答した不動産管理業者が全体の50%を超えており、まだ業界全体で十分に浸透しているとは言えない状況がうかがえます。

この「認識していない」という結果の背景には、単に情報が届いていないというだけでなく、現場の業務環境も大きく影響しているのではないでしょうか。
空室対応や契約更新、修繕、クレーム対応など、日々の業務に追われるなかでは、見守りサービスのように「すぐに利益を生まない施策」は後回しになりがちです。
現場の声を聞いても、検討の優先順位が上がりにくい様子がうかがえます。

「高齢入居者が少ないから不要?」

首都圏の不動産管理会社からは、「高齢入居者が少ないので、今は見守りサービスを導入する必要がない」という声も少なくありません。
確かに、エリアや物件の特性によって高齢者が少ないケースもあります。
しかし、日本の人口構造はすでに大きな転換期を迎えています。

若年層は減少を続け、高齢単身世帯は今後も増加が確実視されています。
現在は若い世代が中心のエリアでも、10年・20年と時間が経つにつれて高齢化の波は確実に押し寄せてくるでしょう。
今は「まだ先の話」に思える見守りサービスも、将来的には不動産管理に欠かせないリスク対策のひとつになる可能性があります。

セーフティネット法改正で進む、高齢者の住まい支援と管理会社の新たな役割

2025年10月施行の住宅セーフティネット法改正では、居住支援法人が残置物処理を委任できる仕組みや、終身建物賃貸借の手続き簡素化などが進みました。
これにより、民間の不動産管理会社が高齢者の居住支援に関わる機会は、今後ますます増えていくと考えられます。

つまり、高齢入居者への配慮や孤独死対策は、すでに「社会的責務」としての重みを帯び始めているのです。
見守りサービスは、そうした時代の流れに合わせて、不動産管理現場の安心を支える仕組みとして位置づけられつつあります。

見守りサービスを提供する企業には、「なぜ必要か」「どんなリスクを防げるのか」を、不動産管理会社にわかりやすく伝える責任があります。
特に、孤独死による事故物件化や認知症による近隣トラブルといったリスクは、管理現場に直結する課題です。

また見守りサービスは高齢者のためだけでなく、若い単身入居者の孤立防止や緊急時対応の体制づくりにも有効です。
入居者層の変化を先取りし、リスク対策の一環として備えておくことで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。

「今は不要」という判断も、未来への準備に変えられる

「今は不要」という判断は決して誤りではありません。
しかし、人口構造の変化と制度整備が進むなかで、見守りサービスは今後「賃貸管理の当たり前」になっていく可能性があります。

導入率がまだ1割に満たない今こそ、将来を見据えた備えを始める好機です。
自社の管理物件や入居者層を踏まえて「どのタイプの見守りサービスが相性がよいか」を検討しておくだけでも、十分なリスクマネジメントになります。

私たち見守りサービスを扱う企業も、その第一歩を後押しできるよう、丁寧な情報発信を続けていきたいと考えています。

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【参考資料】
■高齢者向け見守りサービスの導入率はわずか1割未満。未導入・未認知の企業が半数以上に。(株式会社R65 2025年10月7日発表)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000068855.html

藤掛千絵