事故物件リスクにどう備えるか【管理会社と大家さんが「同じ方向を向ける対策」】
賃貸経営を行う大家さんにとって、入居者の孤独死による「事故物件化」は、経営の根幹を揺るがす大きなリスクの一つです。
2026年現在、日本は超高齢社会のさらなる深化の中にあります。総務省の人口推計(2025年)によれば、65歳以上の人口は約3,623万人に達し、全人口の29.1%を占めています。単身高齢世帯の増加に伴い、孤立状態での死亡リスクは社会全体の課題となりました。
また、東京23区内では年間6,000人規模の高齢者が自宅で単独死を迎えているとされています。孤独死は決して特別な出来事ではなく、日常の隣に存在するリスクと言えます。
ひとたび発見が遅れれば、建物への損傷、長期空室、家賃下落という「負のスパイラル」が発生します。これが大家側の高齢者入居制限を招き、住宅確保困難者を増やすという社会的な悪循環の起点にもなっています。
身近なところにも潜む「孤独死」の連鎖
昨年、知人が所有していた賃貸物件で発生した事例は、このリスクの現実を強く印象づける出来事でした。
9月の残暑厳しい時期、高齢入居者が亡くなってから発見まで半月を要しました。管理会社から告げられたのは、「食べ物の腐敗臭があまりに強く、清掃業者が室内に入ることすらできない」という状況でした。ご遺体の傷みに加え、残された食品の腐敗が重なり、室内は深刻な汚染状態に陥っていたのです。臭気が落ち着くまで着手できないと判断され、さらに半月の待機を余儀なくされました。
放置された「半月」に、処置不能な「半月」が加わる。この時間的遅れが建物に与える影響は非常に大きいものがあります。
幸いこの物件は建て替え前提の売却が決まっていたため特殊清掃は免れましたが、残置物撤去だけでも多額の費用が発生しました。さらに保険の切り替え時期と重なり、実費負担となる不運も重なりました。もし数日早く発見できていれば——。実務上の「数日の差」がいかに大きいかを痛感する出来事でした。
出口戦略の多様化――しかし、大家さんの負担は……
近年、事故物件を専門的に扱う再生に関する取り組みも一部で見られるようになっています。
例えば、
・処置内容を可視化し再流通を支援するサービス
・物件状態を調査し心理的不安の軽減を図る試み
・物件を買い取り、地域施設などへ再活用する取り組み
といった方法です。
こうした選択肢が存在すること自体は、万が一の際の助けになります。しかし、どのような手法があっても、孤独死発生時に生じる大家の金銭的・精神的な負担そのものがなくなるわけではありません。また、こうした取り組みもまだ限定的な事例が中心であり、広く一般化している段階とは言い難いのが現状です。
国交省が検討する「管理会社の評価」の動き
こうした中、賃貸管理の「質」をさらに問う動きも始まっています。
国土交通省では現在、賃貸住宅管理業の透明化と信頼性向上を目的として、標準管理業務の整理や評価のあり方について検討や議論が進められています。これは、管理会社の業務内容を可視化し、大家さんが客観的な視点で委託先を選択できる環境整備を目指す流れです。
今後は単なる価格競争ではなく、防災対応やIT活用、資産維持に関する提案といった「サービスの質」がより重視される可能性があります。管理会社にとっても、従来業務をこなすだけではなく、資産価値を守るための提案ができるかどうかが、評価の一つになっていくかもしれません。
双方の安心につながる「早期発見」という考え方
管理の質が問われていく状況の中で、高齢入居者が増えていくこれからを考えると、「孤独死が起きたときにどうするか」という備えは、無関係ではいられない話と言えます。
安否確認や見守りの仕組みは、その対応方法の一つです。必ず導入しなければならないものではありませんが、管理会社にとっては「孤独死のリスクに向き合っている」ことを示す材料になり、大家さんにとっても「事故物件化の不安が和らぐ」という利点があります。つまり、どちらか一方のためではなく、双方にメリットが出やすい対策と言えます。
ここで言う「孤独死対策」とは、「異常事態の早期発見」です。亡くなること自体を防ぐことではなく、「亡くなっていても発見を早め、被害を小さくすること」です。
定期的に安否を確認し、異常があれば通知が来る。それだけで深刻な汚染を防ぎ、原状回復費用を抑えられる可能性が高まります。また管理会社としても、記録が残ることで「きちんと管理されていた物件である」と説明しやすくなります。
小さな対策の積み重ねが、管理の質を高め、結果として大家さんの安心と資産価値を守ることにつながっていくのではないでしょうか。
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