住宅セーフティネット法改正!高齢者を取り巻くIoTやAIの進歩

高齢者見守り
2024/06/06
文:藤掛千絵

2024年5月30日、「住宅セーフティネット法」の改正案が、衆議院本会議で可決・成立しました。
近年は高齢者や障害者、外国人が大家さんに敬遠され、住まいの確保が出来にくいという社会問題になっていましたが、今回の改正では新たに「居住サポート住宅」という取組が制度化されました。
「居住サポート住宅」とは、人感センサーなどの「見守り設備」を賃貸住居に設置し、居住支援法人の職員が安否確認に訪れたり、問題があれば自治体の福祉に繋げたりする登録制度です。
この制度によって、大家さんが不安に思う「孤独死問題」や「高齢者の認知症発症によるトラブル」を軽減できるようになり、安心して物件を貸し出せるようになりました。

住宅セーフティネット法改正に伴い、今後はますますIoT、AIを利用した高齢者向けのサービスの需要が高まっていくと予想されます。 今回は話題となっている見守りサービスのご紹介、AIの意外な盲点などをまとめてご紹介します。

どの家庭にも必ずあるモノを利用して見守り

電球や家電、電池を通して高齢者の見守りを行う見守りサービスは、既に当たり前のものとなってきました。
これらのサービスは開始にあたり「機材の設置」が必須でしたが、最近は機材の設置が不要で、カメラやセンサーも使用しない「新しい見守りサービス」が増えてきました。
日本国内の住宅には大体付いているもの、といえば「電気や水道のメーター」です。
中部電力では、電気の使用量を計測する「スマートメーター」を利用して見守りを行っています。

以前も、山間部の限界集落で、四国電力と高松市が協力し、スマートメーターを利用した火災警報器等の緊急時対応に向けた実証実験を行っている件をご紹介しましたが、各地の電力会社と行政がタッグを組み、スマートメーターの「本来遠隔でメーターの指示数を取得する」機能を高齢者の見守りに活かす仕組みが増えています。

■中部電力ミライズコネクト株式会社「テラシテ」
https://terashite.zendesk.com/hc/ja

「水道のスマートメーター」を活用した見守り・ヘルスケアサポートの導入を目指し、実証実験を行った自治体もあります。

■大阪市「水道使用量データを活用した「見守り・ヘルスケアサポート」の導入に向けた実証実験を実施します」
https://www.city.osaka.lg.jp/suido/page/0000454260.html

各地域で家々を回る「民生委員」等の人員不足から、こういったIoTやICT(情報通信技術)を活用したサービスを利用し、効率的に支援をすることが求められています。

AIと会話ができる?進化した高齢者向けサービス

音声だけで家じゅうのさまざまな操作を実行できる「スマートスピーカー」ですが、これを利用した地方自体向けのサービスも話題です。
既存のスマートスピーカーを準備する必要がありますが、日本郵便で独自開発したアプリケーションを通じて高齢者に音声で呼びかけを行います。

■地方自治体向けの新サービス「スマートスピーカーを活用した郵便局のみまもりサービス」の開始
https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2021/00_honsha/1224_01.html

見守りサービス側の一方的な配信とは違い、利用する高齢者が回答をすることで安否確認が出来る、またスマートスピーカー自体のエンタメ機能も利用できるので利点が多いでしょう。

AIを利用したサービスといえば「声で質問に回答する」ことで、認知機能の変化を知ることが出来るアプリもあります。現在は特定の利用者のみの使用しかできませんが、医療機関にかかる前に認知症の判定が出来るのは、非常に効率的といえます。

■認知機能チェック ONSEI
https://systems.nippontect.co.jp/products/onsei/

また、対話に特化したAIの活用で、認知機能の維持が出来ることも実証実験されています。AIからの問いかけに、高齢者が返事をする声からも異変を察知し、必要な連絡先に通知するという見守りサービス的な活用方法も。

■ウェルヴィル株式会社「LIFE TALK ENGINE」
https://wellvill.com/lifetalk/

今後、高齢者がますます増加する日本では、認知機能や健康を維持するための「抗老化テック」としてAIを活用することも大いに期待されています。

便利なAIやIoTの意外な落とし穴…

人員不足を解決し、高齢者の住宅確保を促進する可能性にあふれたAI、そしてIoTですが、2024年3月には、下記のような痛ましい事故もありました。

■高齢者向け共同住宅で女性死亡 安否確認センサー稼働せず
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240502/k10014439011000.html

見守りセンサーの電源を入れ忘れるというミスは、単純ながらもIoTなどの根源的な部分に関わるものでした。このニュースにより、技術が発達しても気を抜いてはいけないと、改めて意識した方も多いのではないでしょうか。
企業でAIやIoTを利用する時と同様に、個人で使用する上でも、下記のようなことに気を付けねば、かえって危険を招くことにもなりかねません。

・個人情報や機密情報の保護
AIやIoTデバイスは大量の個人情報や機密情報を収集し、処理しています。
便利なサービスだからといって、安易に個人情報を登録することは危険です。

・AIやIoTへの過信
AIが出してくる判断や提案は、常に正しいわけではありません。特に医療に関する事項はAIの回答を過信せずに、人間の判断も交えることが重要です。

まとめ

AIやIoTは高齢者の生活を豊かにし、社会的な支援を提供する有効な手段です。
しかしそれらの技術を安全かつ効果的に利用するには、適切な管理、そして人間の監視が不可欠であると言えます。

技術がもたらす便利さと、それに伴う課題への対応が、バランス良く進められることを願っています。

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藤掛千絵